特別な島 南硫黄島
父島から南へ330キロ、周囲7.5km 面積3.54km² 標高916m 島の周囲は険しい断崖に囲まれ安全に上陸できる入り江や海岸はない。このため1880年代に漂流した3名が3年半の生活をした以外に人の定住の記録がなく原生な自然がそのままの状態で保たれている。よって島全域が昭和47年に天然記念物(天然保護区域)に指定され昭和50年には日本で初の原生自然環境保全地域に指定されている。過去に山頂部を含む調査は1936年と1982年の2回だけである。今回2007年3回目の調査が行われた。
調査報告 首都大学東京
南硫黄島自然環境普及啓発事業報告書
ボニンブルーシマ シマちゃんも、事前準備、上陸サポート、
ルート工作、物資の荷揚げ、調査サポートとして参加 
2007年6月
どんな島なのか?
 
事前準備から
  
クリーンルームを設置しありとあらゆるる隙間は目張りして進入を防ぎバルサンで燻蒸
この部屋で、各人の装備品、調査道具、11日間の食料、備品、ルート工作用資材全てを点検、
物によっては新品をそろえる。
ものによっては、24時間以上の冷凍処理(調査隊による南硫黄への外来生物進入を防ぐため)


内地での登坂練習 日和田山 (ここでの練習は楽しかった)


重たい荷物を背負っての懸垂下降の練習(現場ではこの倍近くの荷物を背負うことに!!)


出発の前日、全ての荷物をクリーンルームから漁船に運搬


出発前、大神山神社にて安全祈願!!


絶海の孤島 南硫黄島が間近に!! 東京から1275キロ 父島から325キロ 
近づくと上陸できそうな場所さえ見つからない


南硫黄島到着、どうやらこの辺りが一番上陸しやすそう?漁船からゴムボートに荷物を載せかえ、
このゴロタ石の海岸にバケツリレーで全て上陸、時折大きな波が襲う。


前は、波しぶきがかかりそうな距離、後は断崖絶壁から落石がありそうな雰囲気
初日の夜は、テントの中にいてもパラパラと落ちる落石の音に脅えつつ就寝(寝つけなかった)



断崖絶壁の下には、かわいい海鳥が!! アカオネッタイチョウの幼鳥〜成鳥 
こんなかわいらしい綺麗な鳥を見られるのは上陸しないとことには無理ですね。


いよいよ、山頂目指しルート工作、いきなり絶壁ハシゴを使う、その後もしばらくこんな岩々を超えて登って行く


ひたすら登ると、ようやく緑が濃くなってくる、漁船が米粒のように小さく見える。命綱は外せない。


途中には、アナドリの姿やあかぽっぽまで姿を現しました。何か他にもいそうですね?


標高500メートルから山頂方面を望む、ここからは山頂は見えていない。
人間が珍しいのかカツオドリたちが、急降下して目の前を飛び交う。


下を見下ろすと漁船の姿の他に白い点々が動く、 アカオネッタイチョウが
ヒラヒラ舞っているかのように飛んでいる。ここは、海鳥の楽園か!!


25年前の調査時のロープが食い込んでいる、この後回収されました。 平らな場所がほとんどない
この島の中で数人がようやく座れる場所がありました。それでも少し傾斜しています。
この場所は、その後も調査チームたちの野営場所となりました。


標高500メートル付近からは、こんな姿の生物も現れます。やはり人を見たことがないのでしょう。
近くのタニワタリに体を潜め、自分で食べたと思われる葉っぱの隙間からこちらを覗き込んできます。
なんだか可愛いです。オガサワラオオコウモリ なぜか茶髪!!


更に山頂を目指すと、完全に雲霧林 ノボタン、エダウチムニンヘゴが出てきます。


シロハラミズナギドリの幼鳥?とクロウミツバメの幼鳥?どちらもとってもレアな海鳥です。
特に幼鳥が見られるのはこの島ならでは。
シロハラミズナギドリは環境省レッドリストではDD(情報不足)となっている
クロウミツバメは南硫黄島しか繁殖が確認されていない。この島の山頂付近には数万羽が繁殖している


山頂到着 今回のルート工作班 3名の登山家と小笠原島民の私とK氏

この後、植生、昆虫、鳥獣、地質、海洋、マイマイの本格的調査が始まる


三島クルーズにて

撤収前の夜の南硫黄島 最高でした!!
東京都と首都大学東京が連携して実施2007年6月

私も(ボニンブルーシマ)もルート工作、調査サポートとして参加させていただきました。
25キロ以上の荷物を背負い断崖絶壁を越えその後平均斜度45度を山頂まで登った 

海鳥達の楽園でした